P.A.Press
2021.12.8

【P.A.オサカナ日誌】第23怪 シャクレクマノミのレレ

ぼくはシャクレクマノミのレレ。
格闘技とかスポーツの熱い試合を観た後って、ムショーに体を動かしたくなるよね。
やっぱ運動はいいね。むしゃくしゃした気持ちもスッキリ!
むしゃくしゃ…むシャクしゃ…むシャクレゃ……ちょっとくるしい?

それにしても、P-10に戻ってからなんかヘンな感じがするなぁ。
頭の中がざわめきやがるぜ…。

ざわざわ…

「ところで、ぼくの実家探しの件はどうなったの?」

「多摩川河口まで行ってみたはいいけど、結局とんぼがえりに終わったね」

「代案はちゃんと考えているの?」

「つーか、実家を探して一体どうするの?」

うるさい!ぼくは今トレーニングで忙しいんだ!

「そんなときは!
一度、逆立ちをしてみたら良さゲ?」

きみは…、
キャッチコピーは“暗気(くらげ)な頭にパッと灯りを!”
みんな誰でも頭の中に住まわせている、電球クラゲのひらめきクラゲくんじゃないか!
…まあ、脳内カウンセラーとして名高いきみがそこまで言うのなら。

トレーニングついでに逆立ちだ!
たしかに、凝り固まった頭は一度ひっくり返してみた方がいいかもね。

逆立ちといえば、トンボ会議室の霊(第8怪参照)を思い出すなあ。

その時、レレの脳内に電撃が走った

とんぼがえり…、トンボ会議室に棲みつく霊…。
そして、突如脳内に現れたひらめきクラゲくん…。

もしかして…!

………

< トンボ会議室 >

あった!

…クラゲ袋に入った裁縫セット。
全部思い出しちゃったぞ…!

ぬいぐるみ“シャクレクマノミ”を製作した人物とは…コシギンチャク園部だ!
なんの意外性もなく。

つまり、ぼくの親はコシギンチャクで、ここトンボ会議室こそがぼくの実家だったんだ。
コシギンチャクめ、製作者のくせにずっと他人のフリをしやがって…。

“シャクレクマノミ”が完成したあの日…トンボ会議室内でクラゲみたいにフヨフヨ浮かんでいた、ある存在によって“シャクレクマノミのレレ”は本当の意味で生まれたんだ。

製作者の技量不足によって、シャクレクマノミなのにシャクレたアゴを貰うことができなかったぬいぐるみの怨念。
そして、
“コイツ…。制作現場が忙しい中、なに呑気にぬいぐるみなんか作っているんだ?”
という元・制作進行の霊の怒りの思いが同調して、ぼくらの魂は融合したんだ。

こうしておまえの前に姿を現しているのは、いわば“ポルターガイスト現象”ってヤツだね。

なあ、コシギンチャク…。
おまえがぼくを拾ったあの日…、聞こえてきた言葉を憶えているか?

“平和ボケした愚者に鉄槌を…!!”

どうも、コシギンチャクこと園部です。
『白い砂のアクアトープ』第22話はいかがだったでしょうか!?

ぬいぐるみなんか買っちゃって、ウェディングプランナーの三浦さんもお気に入りの様子のクラゲくん。
ティンガーラのクラゲ水槽では「ミズクラゲ」「クラゲ」「タコクラゲ」「ハブクラゲ」がプカプカ泳いでいます。
ところで、町を歩いているとクラゲが風に飛ばされているのをたまに目撃しませんか?
…まあ、知っての通り、正体はビニール袋なんですけどね。
でも実際、海の中で泳ぐウミガメがビニール袋をクラゲだと勘違いして食べてしまうこともあるそうなので、ゴミのポイ捨ては絶対にやめましょうね…!

明日の12月9日からは第23話が放送です!ぜひご覧になってください!

つづく

LOADING