(ナレーション:制作部庶務 園部)
“ケチャップアート”…それは、日本文化の神髄。
ケチャップアートのいわばキャンバスであるオムライスは洋食というカテゴリですが、実は日本発祥の料理。
海外の方にとってオムライスはあまり馴染みが無い料理だという事実について、意外に思われる方もいるかもしれませんね。
そんなオムライスにブチュチュと描かれるのが、日本が誇るオタク文化の発信地であるメイドカフェより、愛のこもったケチャップアート。
西洋料理を魔改造して更に萌えキュンで上塗りするというこの混沌具合…まさに“日本的”な文化ではないでしょうか。
ところで、本日11月3日は「文化の日」。
“自由と平和を愛し、文化をすすめる”ことを趣旨として定められた国民の祝日です。
メイドカフェ「きゅんギョばち」(従業員1名)のエースメイドであるれれびぃは「文化の日」と聞き、メイドとして、アーティストとしての血が騒いだようで、この日のためにスペシャルなケチャップアートを描いてくれるそうです。
れれびぃは自問します。
“メイドは何故、オムライスにケチャップアートを描くのか?”
きっと、その原動力はひとえにご主人様・お嬢様へのご奉仕精神に基づくものでしょう。
“おいしくなぁれ♥”というおまじないの一言に、答えは全て込められている気がします。
その想いはれれびぃも同じ…ですが、今回に限っては少しだけ事情が異なります。
実は最近、P-10制作スタッフ共用の冷蔵庫内でナワバリ争いが激化しており、れれびぃはこれに心を痛めていました。
そこでれれびぃは争いの沈静化を図るため、そして、“自由と平和への奉仕”のためにケチャップを構えました。
「タイトルはそうだな…『戦場に赤く濡れる蕾(つぼみ)』、カナ?」
と、れれびぃは車道を跳ねるカエルみたいに潰れながら巨匠ぶります。
争いによって心の傷から溢れた皆の血を一身に引き受けたがために倒れたれれびぃ。
その痛ましい姿を見ればきっと、皆は争いの手を止め、やがてオムライスの丘に平和の花が咲き乱れるはず…。
というのは全部建前です。
冷蔵庫内へ移動したれれびぃ on オムライスは、こう考えていました。
“こんな美味しそうなものを冷蔵庫の中で発見してしまったら、お腹を空かせたP-10制作スタッフたちはきっと互いに争奪戦を始めるはず”
本当の目的は、“アタシのために争わないで”の状況を体験してみたいという完全なる私欲。
ただそれだけがれれびぃを衝き動かしていました。
「さぁ、先着1名!早いもの勝ちヨ♥」
数日後…
※ ごはんを冷蔵庫に保存する際は、必ずラップをかけましょう!