どうも、ピーエー水族館職員、園部です。
前回、マスコットキャラクターとして挫折を味わったレレが「旅に出るか…」とP-10から姿を消して、1週間が経ちました。
レレが残した置手紙を見るに、たぶん今は「足立区生物園」にいるのでしょう。
“さがさないで”と書いてあるのでそのまま放置していましたが、まぁそろそろ迎えにいってやりますか…。
2日後…
2021年9月某日
というわけで、足立区生物園にやって来ました!
(感染症対策も忘れずにしっかりと!)
(2019年取材写真より拝借)
券売機で チケットを購入し、いざ!
園内に入ると、広場の天井にでっかいチョウチョが!
ほえ~綺麗…、なんかワクワクしてきましたね!
見上げていると、横から「ねぇ…」と私を呼ぶ声が聞こえてきました。
「遅くない?」
入園早々、出オチ気味にレレを発見です。
「ぼくの落としもの…“マスコットとしての自信”を探しに旅立ったわけだけど、
…かつてシャクレクマノミ界の風雲児だったぼくも落ちたものだね…」
ぬいぐるみが園内を好き勝手に歩き回っちゃ、お客さんがビックリしちゃいますからね。でも、よくひとりでここまで来れたものです。
そういえばレレはなぜ足立区生物園まで足を運んだのでしょうか?
「それはね…。
…おっ、水槽がいっぱい並んでいるよ。
まずは見てまわろうよ」
それはもちろんです!
ぶっちゃけレレはついで。私はオサカナたちと会いに来たのです!
レレ「ヒフキアイゴがいるよ」
火を吹くみたいに口がとんがってるね。
レレ「チンアナゴだ」
アニメキャラみたいな目!
レレ「デバスズメダイ。青いウロコがきれい!
ちなみに下アゴの歯が出てるから“デバ(出歯)スズメダイ”というんだ。
下アゴが出てるシャクレクマノミと似たようなオサカナだね」
似てません。
それにしてもただ普通にオサカナたちを観察しているだけですね。
私は満足だけど、レレの本当の目的とは何なのでしょうか?
「きみはミドリフグかい?ぷっくりカワイイね…。
…そう、嫉妬するほどに!」
「このまえ『白い砂のアクアトープ』を観て思ったんだ…。
ぼくのカワイさをみがくためには
本場の水族館へ武者しゅぎょうに出なきゃいけないとね」
「だから小平シティからぼくの足でも行けそうな足立区生物園に来たんだ。
それにここは『白い砂のアクアトープ』の水族館協力でご協力いただいたばしょ。なおのこと気合入っちゃうよね」
「ぼくと足立区生物園のオサカナたち…、どっちがよりカワイイか!
写真うつりのカワイさで勝負だ!
審判はコシギンチャク、きみだよ。(“公平”なジャッジをヨロシクね…?)」
なるほど。
いいでしょう、レレの武者修行に付き合ってあげますか。
“公平”なジャッジ、任されました!
「まずは小手調べだ…。
2匹まとめてかかってきなよ」
<決め手 : 三日月から満月へ ~あ、そろそろ俺の出番だわ~ >
解説 : 黄色い三日月みたいなヒレをもつイエローフィンバルブと、兜みたいな大きいウロコを頭に被る満月甲羅のニューギニアカブトガメ。
ふたり合わせればさながら戦国武将・伊達政宗の三日月兜。
“三日月とカメ”コンビのカッコカワイさと比べたら、レレなんて“月とスッポン”ですね(笑)
「さすがに1対2はムリだったね。
でも、タイマンならぼくに軍配があがるはず。
しってる?
マスコット的には手足が短いほうがトクなんだょ…?」
<決め手 : 海底最高峰のガッツポーズ ~盛れてる?映えてる?蟹の道楽~ >
解説 : 戦う前から勝利を確信しているこのガッツポーズ。
加えてピースサインも決めるその姿はまさに歴戦のプリクラギャル。
「…まあ、甲殻類とは土俵がちがうからノーカンでしょ。
あっ…あれはもしや!!」
レレ「終生のライバル、“カクレクマノミ”…!」
「この勝負だけは…、
シャクレクマノミを代表して負けるわけにはいかないね。
今こそ切り札の悩殺ポーズをお見せするときがきたようだね…!」
<決め手 : シャクレてすらいないお前に、わたしがカクレるまでもない>
解説 : 「勝負するまでもなくデザイン元として格が違いますね」
30分後…
「さすがに全敗はオカシイよ…」
当然のなりゆきですね。
挫折の先のさらなる挫折…、これもいい修行です。
それはそうと、足立区生物園にはオサカナ以外の生き物もたくさんいるのです。
せっかくだからこちらも見て回ることにしましょう。
レレ「とり…」
………
レレ「むし…」
………
レレ「おさかな…。
ん?外にもオサカナがいたのか…。
なんだよ、こっち向いて…。
…まさか、慰めてくれている、とでもいうのか…?」
レレ「…!そうか!
やっと、まちがいに気付いたよ…。
愛でられる存在であるぼくたちは争い合うべきじゃない…。
だって、ぼくたちはトモダチだから!」
<決め手 : え?なんか言った?>
解説 : 目が合っただけで勘違いしてくる方っていますよね。
………
「マスコットとしての実力は発揮できなかったけど、
トモダチという大切な存在に気が付いたよ。
それだけでぼくにとってこの旅は意義あるものだったね
…あれ?」
「そういえばコシギンチャクはどこ?」
「やれやれ、迷子か…。
困った子だね。
さてと、ここらでオチておこうか」
チャンチャン♪
(足立区生物園様、撮影にご協力ありがとうございました!)
『白い砂のアクアトープ』第11話、いかがだったでしょうか!?
停電してしまった館内、くくるが懐中電灯で照らす先に泳いでいた「ヒブダイ」のニッコリ顔の緊張感の無さ…、愛おしかったです。
がまがまの生き物たちがこんな大変な日でも可愛い姿を覗かせるのは、ひとえにくくるたちの努力があってこそですよね…!
明日の9月23日からはいよいよ1クール目ラスト。第12話が放送です!
がまがま水族館の行く末を、ぜひお見届けください!
つづく