(ナレーション:制作部庶務 園部)
野球は9回2アウトから。
どんなに絶望的な状況でも、決して諦めるな。
信じることを諦めなければ、きっと希望の光は差し込む。
運命に抗え。逆転のチャンスは自分の手で掴み取るものなんだ!
バットに縛り付けられても、れれびぃは諦めません。
おやつを盗み食いした罪で絶賛おしおき中ですが、ここから逃れるためのチャンスはきっとどこかにあるはず。
ピッチャーが投球モーションに入り、その手からボールが放たれる刹那、れれびぃは脳みそをフル回転させ思考します。
れれびぃの分析によると…、
相手ピッチャーはアニメ『アキバ冥途戦争』の多くの話数で作画監督を担当したフリースタッフ「な~べ~」さん。
過去のピーエー作品でもたくさんお世話になっているベテランアニメーターです。
お菓子や惣菜パンを制作進行におすそ分けしてくれる、優しいな~べ~さん。
それと、お昼休憩後やお仕事の息抜きに、よく屋上で体操をするみたいです。
今日に限っては、おすそ分けのお菓子を盗み食い尽くしたれれびぃに激怒した制作進行たちと屋上でばったり遭遇したらしく…。
そして、今に至ります。
つまり、
以上の分析から打開策は何も得られませんでしたが、
とりあえずわかっていることはただひとつ…
※この野球は”ごっこ遊び”です。
屋上でボールを投げたり、バットを振るのは大変危険なので絶対に真似しないでネ!
ってこと…!
僕らの夏が終わる速度と150kmのストレート、一体どちらが速いのだろうか?
制作進行なかじぃの鋭いスイングはな~べ~さんの剛速球を真芯で捕え、
昼下がりの空に怪音が鳴り響く。
その衝撃で、れれびぃを拘束していた紐が弾け飛ぶ。
れれびぃ自身も弾け飛ぶ。
僕らの想いを乗せて、広く青い空をどこまでも…。
「うわあああああぁぁぁぁ!!!」
お帰りなさいませ、ホームラン。